2011
2/06
品格ある歯科医師を目指して
私は6年ほど前より、ワイシャツ、ネクタイに長丈白衣という
今の診療スタイルを採っております。
理由は様々ありますが、ネクタイを締めることで
兜の緒を締める、いわゆる仕事モードに突入する
スウィッチを入れる事を自ら自覚するという意味と、
凛とした身なりでいる事で患者さんに安心していただく、
それから歯科医という仕事に誇りを持って従事するためであります。
私は恩師である先生より、歯科医という職業にプライドなど持つな、歯科医という仕事にプライドを持て、と事あるごとに言われてきました。
以前は学会や講演会に参加する際ぐらいしか
スーツやワイシャツ、ネクタイをする機会がないせいか、
着るものには非常に無頓着でした。
その私がなぜ、着るものに拘るようになったかというと、
或る講演発表の依頼を受けまして、
それまで事あるごとに着用していたスーツがくたびれてしまったため、
新たにスーツを新調しなくてはならなくなってしまいました。
それで、どうせ仕立てるなら格好良いものにしよう、と。
みなさん、スーツの似合う人って誰をイメージしますか?
B&B ITALIA のレザーチェアー
私はやっぱりジェームスボンドなのです。
ショーン・コネリーなのです。
007のスーツにしよう。
そう思い付き、ジェームス・ボンドのスーツについて調べていくと衝撃的な事実を知りました。
007のスーツはイギリス製ではなく
イタリア製なのです。(正確には5代目のピアーズ・ブロスナンから)
自動車や蒸気機関車、そしてサヴィルロウに代表される背広の起源を生み出してきた誇り高きイギリス人が、とりわけ日本でいう「男はつらいよ」に相当する、国民的映画の007に自国以外の製品しかも背広を採用することに当初はイギリス国内でも、相当の反発があったといいます。
(元々ジェームス・ボンドが代替わりする度に、イギリス国内ではマスコミからの猛烈な洗礼を浴びるのがお約束だそうですが)
で、その時作ったのがこのスーツ。(Photo.1-2)
在日米軍学会(※1)で講演中の一コマです。
左から2番目が私、一番右端が高橋先生です。
それ以来、クラシコイタリア路線をひたすら歩むことになります。
本日も、ネクタイを締めつつ気も引き締めて、診察にあたります。
※1:在日米軍学会(Tri-Service Dental Society of Japan)はアメリカまで赴かずとも、あちらの最先端歯科医療、事情を直接研究、議論することができる数少ない場です。