2011
2/09
自らを千尋の谷へ落ちて、そして乗り越えろ!
皆さんは壁にぶち当たった時や、
修羅場を迎えた際にどうしていますか?
そこでどう動くかで、
その後の人生が大きく変わるような事態だとしたら
尚更人は委縮してしまうものです。
今の若者は打たれ弱いと耳にすることがあります。
失敗する事を恐れ、立ち向かっていく勇気がない人が多いそうです。
私も何のコネもつてもなくこの業界に足を踏みいれ
15年もやっていると
幾度となく壁にぶち当たることがありました。
では、どうやって試練を乗り越えてきたのか。
運が良かった、というのもあるでしょう。
しかし普段より、自ら崖を設定し、谷底まで落ちて
這い上がっていく鍛錬を続けました。
何をしていたのか?
ゴルフです。
もう初めてから7年目を迎えますが、一向に上達しません。
そこそこ練習は続けておりますが、元々のセンスがないのでしょう。
上手くないのに続けるのは何故か?
イメージしてください。
周囲の方々は名だたる企業の経営者、名士の方々ばかりの中で
独りぽつんといるゴルフ場にいる姿を。
ゴルフは4人でプレイします。
面識のない4人が約6時間、行動を共にします。
当然、私のスキルはダントツに低い事は確定しております。
そう、この時点で修羅場なわけです。
私がこの時点で出来る事は、場の空気を乱さないようにプレイする事。
皆さんティーショットはナイスショット。フェアウェイど真ん中です。
さて、私の番。どうてすか。もう見事なまでの明治の大砲。(Photo.1)
もちろんボールは左の林です。
この時点で徐々に嫌な方向に空気が変わっていきます。
私以外の3人は、悠々とフェアウェイの真ん中を闊歩し、
私は独り別行動。林の中を彷徨います。
アウトホール(前半)も半ばを過ぎると、プレイの合間にする
会話も弾みます。
私は聞かれた事にはなるべく丁寧にお答えし、
自らを修飾するようなものの言い方は絶対に控え
必要以上に会話に入らぬよう、そう、場を乱さぬように。
ゴルフは自分との闘いです。下手なうちは感情を押し殺して
プレイ中は冷静に、常に周囲のプレイヤーに気を配り、
一緒にラウンドしている方に会心の一打が出たら「ナイスショット!」と声を掛け、
グリーン上では率先してピンを持ち、プレイファーストを心掛け、
徹底して決められたマナーを守る。
ミスショットをすると悔しがってクラブを地面に叩きつける
行為などもってのほか。
これのいったい何が愉しいのか。
始めた頃は、この6時間が本当に永い。
折角の休日に高いお金を払って、疲れて帰ってくる。
これがゴルフが中々普及しない最大の理由でしょう。
しかしこの事こそに、下手なのに私が続ける意味があります。
そう、これこそが自ら作った修羅場なのです。
私が尊敬している石川遼君は、小さい頃からご尊父の方針で
親交のない大人に交じってプレイを重ね、一緒に食事も取り
徹底的にマナーを学んだ事で、誰もが認める
あれだけの模範的な人間性が、あの年齢で備わったそうです。
四十の中年が、姿格好ではなく自分の半分の年齢の青年から
学ぶべきものがある。
彼のような振る舞い、物言いが出来るような、そんなDr.を目指したい。
私がゴルフを続ける理由です。
▶Photo.2
パークハイアット東京を運営するパークホテル株式会社
磯野克己社長と 大利根カントリークラブにて