常に成長していくためにこれだけ歯医者が多いとお互いがお互いを罵り合う、醜い争いが
頻発します。出来れば私はそのような諍いに巻き込まれたくありません。

私は患者さんへのホスピタリティを高く維持していく為に、
異業種の方と接することで得られるものが、沢山あると気付き、接遇の向上に努めています。
そして何よりも自分磨きのために。
帝国ホテルやパークハイアットなどの超一流ホテルを通じての
交流を深めた方々とのお付き合いが多くを占めております。

歴史と伝統と立地が重んじられるホテル業界の中で
それらを何一つ持たず、業界関係者から
「絶対に失敗する」と言われた中
開業よりわずか15年で、ビリー・ジョエルや
三大テノールの一人 ホセ・カレーラスを筆頭に
海外からのセレブリティの来日時の常宿として
今や押しも押されぬ超一流ホテルへと成長した
パークハイアット東京。

世襲制がほとんどといわれる歯科業界で
何の伝手もなく試行錯誤の連続で今日までやってきました
私どもには、ここから学ぶべきものが山ほどあります。

建物すべてをホテルに利用するのが一般的であるのに対し、
高層ビルの上層階のみをホテルに使用するスタイルは
開業当時は非常に斬新でした。
今ではリッツカールトンやマンダリンオリエンタル、シャングリ・ラなど、
その後開業した外資系ラグジュアリーホテルのほとんどが
同じ開業スタイルを採っております。

特筆すべきは、ホテルの規模。
レストランの数を三つに、客室数を178室と
ホテルとしては極めて少数に絞る事で
一人一人のゲストにきめ細やかにサービスするのが特徴です。

3つあるレストランの一つ、最上階の52階にあるニューヨークグリルは
女性が最もプロポーズされたいレストランとして
窓際の席は予約の取れないプラチナシートとして有名です。

その礎を築いたのが第二代総支配人、
現ペニンシュラ東京総支配人のマルコム・トンプソンさんです。(Photo.1)

総支配人としての手腕と人柄から、彼を慕うホテルマンは数知れない、
伝説のホテルマンであります。

10周年の節目を迎えた2004年には、なんとホテルの施設を丸ごと使った(!)
チャリティーイベントを行ったり、
映画ゴッド・ファーザーの監督フランシスコッポラの娘のソフィア・コッポラ
監督作品、「ロスト イン トランスレーション」(2003)の舞台として、
その撮影のほとんどをここのホテル内で行うなど、
数々のサプライズを仕掛ける事でも有名です。

対しまして帝国ホテル。
言わずと知れた日本一の超名門ホテルです。
今年で開業120年を誇る、老舗中の老舗。
総客室数は1000を超え、エリザベス女王をはじめとした国内外の賓客を
おもてなししてきた、その存在自体が一つの街になっている巨大ホテルです。

同じ超一流ホテルですが、そのスタイルは全く違います。

これは歯科医院経営にもあてはまります。

規模を大きくして従業員に自らのイズムをしっかり伝え、全てをソツなくこなす
運営を基本とする法人型経営、
方やキャパシティは最小限に留め、目の届く範囲できめ細やかに対応する
個人型経営。

私もこれまでに、非常に省スペースのクリニックで診療しておりましたが
きめ細かく診療、対応するのには限界を感じたことが幾度となくあり、
その都度規模を広げてはどうか、と銀行や各方面より
ご提案いただくことがありました。

しかし無闇に規模を大きくするとスタッフの動きなど、目の届かなくなること
が増え、当然コストも多くかかる分、小回りが利かなくなります。

診療レベルのクオリティは決して落としたくない。

結果、小規模スタイルのクリニックを運営しております。

どなたに対しても、最高のクオリティと安心を提供していく。
(でもプライスは低く)

そのためには、決して妥協はしません。

▶Photo.2
オテル・ド・ミクニオーナーシェフ 三國 清三氏、
ペニンシュラ東京 ザ・ロビー料理長 石井 順氏